JIA建築家大会2006奈良/奈良・京都視察報告 Part2 album01:桂離宮/神仙島越しに古書院を見る 桂離宮は八条宮智仁親王が創建し、1615年頃〜1662年頃にかけて新増築を重ねて造り上げた別荘。茶会・舟遊・蹴鞠・弓道を楽しむ場だが、その優雅さの中にも緻密な空間構成が施され一種の緊張感さえ伝わってくる。 南の方位に対し書院を雁行に造ることで、植栽にあたる日差しと四季の庭園空間の移り変わりを書院や茶亭などから、終日楽しめる工夫がされている。 02:桂離宮/衝立松 中門の手前、左右に目線の高さで生垣が植え込まれ強制的に庭園を見るが全体像は見えない。 03:桂離宮/飛石道 小石と方形の石の組合わせ。小石は漆喰で納めてあるとのこと。 04:桂離宮/書院全景 高床とした床下、明り障子、屋根の水平面積と垂直の細い柱、そして白壁と木板の構成など全てのコントラストと非対称形のバランスの調和が独特なうえ、時空を越えた超モダンを生み出している。 05:桂離宮/月波楼 観月のための茶亭。 離宮の茶亭全般に見られるが、屋根を薄く、軽く、深く、そっと差しかけてあり、下にいると日差しを和らげる編笠を被る印象にも似ている。 06:修学院離宮/中離宮 楽只軒前庭。 11月中旬の紅葉に彩られた庭園。 07:修学院離宮/一二三石 上離宮、隣雲亭の叩き土間に埋め込まれた鴨川石。 08:修学院離宮/上離宮 後水尾上皇が1655年から1659年にかけて造営した山荘。 西浜越しに千歳橋、腰掛を望む。 09:角屋/外観 現存する揚屋の名品。 総2階16間の間口に格子が連続し京都の町屋の風情をたたえている。 1641年この地に建設され、増築を繰返し1787年に現在の姿になった。 10:角屋/中戸口付近から門を見る 揚屋とは、江戸時代の社交的機能をも含んだ遊宴建築。 太夫や芸鼓を抱えず置屋から派遣してもらい、料理だけを作っていたので現在の料亭にあたる。 11:角屋/坪庭 広い座敷まで明りを取り込む坪庭だが、入り隅から外したところに柱を立てた粋な施しや、障子・欄間など座敷毎に違う意匠と構造に工夫を凝らした数奇屋的建築。 幕末の名士達も使用ししばしば宴会を催したと言われています。 |
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